ジャニオタを理由に1人友達を失った話。
桜のつぼみがつき始めたにもかかわらず、3月なのにまだ寒い日が続いていて着る服に迷っている。
私はこの3月に高校を卒業し、4月からは東京の大学に進学することが決まっている。高校の三年間を振り返れば、たくさんの友達や先生に支えられていたなあ。と、思う。
この三年間、1つだけ後悔していることがある。
それは友達を1人失ったことだ。仮にAとしよう。
Aとは高校一年生の時同じクラスで性格やテンションが似ていてすぐに仲良くなった。いわゆるイツメンではないものの、とても仲が良く「親友」と出会えたと思えていた。
特に私たちが仲を深めたのは「wktk」であった。たまたま私がwktkの話をしていると、Aが、「え!?シゲゴリ!?」と言った。wktkの話ができるなんて初めてだった。
その日シゲの画像を送るとかっこいいと言ってくれた。NEWSのことを教えると、とても気に入ってくれた。自分の好きなものを誰かが好きになってくれることはこんなにもうれしいことなのかと思うととても幸せな気持ちになった。
私たちは高校二年生になり、別々のクラスになった。それでもお昼ご飯を一緒に食べたり、カラオケに5時間いたり、一緒に映画を見に行ったりした。そのときも相変わらず、シゲゴリの話をした。AはKラジも聞いてくれるようになった。
NEWSのことをかっこいいと言ってくれたし、歌も聴いてくれた。いい歌だと言ってくれた。
高2修学旅行では一緒にディズニーランドへ行った。たくさん写真も撮ったし、たくさんアトラクションにも乗ったし、たくさんおしゃべりもした。おそろいのプーさんのキーホルダーも買った。
その次の週。私は嵐のコンサートに行った。
その話をAにするとAは「話聞いてたら嵐のこと気になってきた」と言ってくれた。私は好きになってほしいと思い、たくさん紹介した。
それから一ヶ月位してからだ。
Aは邦ロックが好きな一面もあった。
彼女は、WANIMAやキュウソネコカミ、そしてゲスの極み乙女。が好きだった。
ある日、あるニュースが世間を騒がせた。川谷さんとベッキーが不倫をしていたというニュースだ。
学校でAと会ったときAが私に「卒論はさすがにまずいよね~」と言った。
その日帰ってからいつものようにAとLINEをした。
Aの言っていた言葉を思い出し、さすがにねえ的なことを送った。
するとAは私に「この話誰にもわかってもらえなかったんだけど、やっとわかってもらえたわ!さすが手越担!!!」と送られてきた。
私にはその意味がわからなかった。なんでここで手越くんが出てきたのか。よく週刊誌に出ている手越くんのことをバカにされたように感じた。
だから、「どういう意味?」と送った。
次の日、Aと私はすれ違っても話すことはなかった。
帰ってLINEを開くとAからメッセージが来ていた。
読むと、「なんで△△が怒ったのかわからないし、正直、ジャニーズの話聞くのもきつい。私はジャニヲタにはなれない。いつ傷つけるかわからなくて怖い。」
と送られてきていた。衝撃だった。あんなにうれしそうに話してくれていたのに。あんなに笑顔で私の話を聞いてくれていたのに。
そんなに苦しめていたのか。私が話すとAはそんなに言葉を選んでいたのか。
私は「それならもう、私とは話さない方がいいんじゃない?」と送った。
するとすぐに返信が来た。
「今までありがとう。」
友達を失うことはこんなにも簡単なのか。どうすることもできず、ただただ悩むだけだった。
話さなくなってから、一週間がたった。なんと、私にお誕生日プレゼントを渡してくれたのだ。
これは、仲直りするチャンスだと思い、「ありがとう。もしよかったら、また挨拶するような中に戻りたい」とLINEを送った。
すると、「両成敗だろ!」と返信が来た。嬉しかった。またいつか普通に話せる日が来ると思った。
そして私が友達Bと話していると、AがBに用があり、話しに来た。私もAに話しかけようとすると、気づかないふりをされてしまった。
やっぱり、元の関係には戻れなかった。
それから私たちは3年生になりすれ違っても、目が合っても話したりすることはなかった。
そして卒業し、つい先日。BがAからの私宛の手紙を預かったと言い、受け取った。
私たちの思い出や、ごめんなさいの内容だった。その中には、wktkやらじらー、シゲのことやNEWSのことも書いてあった。
すぐ私も返事を書いた。
来週、返事を渡す予定だ。
もう一切、仲を戻すつもりはなかった。
しかし。Aが大人で、優しかったから、前みたいには戻れなくても、また、ラジオの話や、恋愛の話をしたいと思った。
今はまだ、ジャニーズの話をする自信はないけど、もしかしたら聞いてくれるかもしれないんじゃないかと思った。
相変わらず話をまとめるのはへたくそだが、文字だけで伝えるというのは、感情が伝わりにくいからこそ本心が伝わりにくいと思う。
いつかこの話が、笑い話になることを願う。